TRIZfest-2014は2014年9月4日から6日まで、チェコ共和国のプラハで開催されました。大会前の恒例として、9月3日には、TRIZ開発者サミット(TDS)が開催されました。
大会組織委員会は大会を見事に運営して下さいました。パベル・ジルマン氏をはじめとした皆さんがTRIZfest-2014の成功へ向けてなさった努力は賞賛に値するものです。会場は快適で、タイムスケジュールにも配慮が行き届いており、各部会の会場は適切に配置され設備も整っていました。カクテルパーティーや夕食会も素晴らしいものでした。
ヴルタヴァ川のほとりに広がるプラハ市は、ヨーロッパ有数の古都らしく、たくさんの名所や素晴らしい景色で私たちを迎えてくれました。また、大会期間中には幸い天候にも恵まれました。
今年度は70名もの参加者が20カ国から集まってくれました。TRIZが世界に普及していることを、このことからも実感できます。
今年度も引き続き査読に基づく提出論文の選考を行いました。今回責任者を務めたのはワレーリ・スーシコフで、メンバーとして学会や実業界から専門家たちを集め、査読が行われました。35本の論文が査読を通り、本大会で発表されました。論文は研究、事例、手法のカテゴリーに分けられました。論文査読については、この4年間の経験から、そのプロセスに何らかの修正を加える必要があると考えられるようになりました。ワレーリ・スーシコフは現行プロセスの再検討に着手し、修正案をMATRIZ幹部会に提出することになっています。
ワレーリ・スーシコフ、セルゲイ・イコヴェンコ、マーク・バルカン — 「TRIZ入門」
参加者は非常に熱心で、多くの質問がなされました。
アナトーリー・ギン、マーク・バルカン — 「オープンタスクとクリエイティビティ・ボウル」
参加者はクリエイティビティ・ボウルのゲームを楽しみました。
2014年9月4日午前9時、MATRIZ会長セルゲイ・イコヴェンコ博士が大会の開会を宣言しました。ヒュンダイ、GE グローバル・リサーチ、韓国標準協会 (KSA) の各代表に表彰盾が手渡されました。チェコ発明改善協会会長ヤロミール・ヴォルフ氏が参加者への歓迎の辞を述べ、同協会の活動を紹介しました。
次に、GE グローバル・リーダー兼チーフ・サイエンティスト マーサ・ガードナー博士が基調講演を行い、GEにおけるTRIZ研修の進め方を紹介しました。博士の意見では、GEグループにおける研究開発に対してTRIZが好影響を与えたことは明確だとのことです。
昼食のあと、リベレツ技術大学・革新技術部門の客員教授、イヴァン・マシン博士がこの日2つ目の基調講演を行いました。博士は製造業での作業環境の問題解決におけるTRIZの有効性について話されました。
開会式、基調講演に続いて、論文発表が行われました。今回の論文発表は一つの会場で行われましたので、参加者がどの発表見学するか迷う必要はありませんでした。第一日の日程終了後にはカクテルパーティが開かれ、参加者は乾杯を繰り返し、たくさんのジョークと美味しい食事を楽しみました。
大会二日目はインベンション・マシーン・コーポレーション (IMCorp) の設立者、ヴァル・ツーリコフ博士の基調講演で始まりました。この講演のテーマは「コンピュータを用いた創造性」でした。「発明するソフトウェア」を最初に開発した人物の講演は、私たちの期待を裏切らない素晴らしいものでした。なかでも博士の示された「インテリジェント・マシーン」の可能性についての見通しは大変興味深いものでした。
基調講演の後、論文発表が、初日にひき続き単一の会場で行われました。
二日目の公式日程終了後には、ヴルタヴァ川でのディナー・クルーズが行われました。この夕食会には参加者の家族も含め75名ほどが参加しました。私たちは美味しい食事やお酒とともに、プラハの夜景を楽しみました。
三日目は次の9名のTRIZマスターで構成されるTRIZマスター認定委員会 (DC) の会合が行われました。
まずDCは二つの論文審査を行いました。結果は以下のとおりです。
氏名 | 支持 | 不支持 | 結果 |
---|---|---|---|
ユン・ホンギュル氏 (韓国) |
7 | 2 | TRIZマスター認定 |
ダニエル・シュー教授 (台湾)* |
1 | 7 | 不認定 |
ついで、TRIZの実践活用における顕著な功績に基づくTRIZマスター認定の候補者——ロベルト・アドゥンカ(ドイツ)、ミカエル・ゲルシュマン(イスラエル)、ロスティスラフ・ホレンヤン(ロシア)、ゲオルギー・セヴェリネツ(ベラルーシ・中国)、イゴール・ペティ(ロシア)——、および研究発表(出版)に基づくTRIZマスター認定の候補者——ソン・ヨンウォン(韓国)、セルゲイ・マルキン(USA)——についての審査を行いました。結果は以下のとおりです。
氏名 | 支持 | 不支持 | 結果 |
---|---|---|---|
ロベルト・アドゥンカ博士 (ドイツ) |
9 | 0 | TRIZマスター認定 |
ゲオルギー・セヴェリネツ氏 (ベラルーシ・中国) |
9 | 0 | TRIZマスター認定 |
ロスティスラフ・ホレンヤン博士 (ロシア) |
4 | 5 | 不認定 |
ミカエル・ゲルシュマン博士 (イスラエル) |
7 | 2 | TRIZマスター認定 |
イゴール・ペティ博士 (ロシア) |
7 | 2 | TRIZマスター認定 |
ソン・ヨンウォン教授 (韓国) |
6 | 3 | TRIZマスター認定 |
セルゲイ・マルキン氏 (USA) |
0 | 9 | 不認定 |
TRIZマスター認定委員会会合の終了後、MATRIZ会長セルゲイ・イコヴェンコ博士が、閉会を宣言しました。
韓国標準協会はMATRIZに、TRIZfest-2015の韓国での開催を提案しました。この提案についての討議の結果、国際TRIZ協会および韓国標準協会はTRIZfest-2015を2015年9月10日から12日まで、韓国で開催することを暫定合意しました。正確な開催地、日程については、MATRIZのウェブサイト(日本語/英語/ロシア語)での告知をお待ちください。
マーク・G・バルカン
MATRIZ総括理事
(日本語訳:MATRIZ日本語ページ管理人)
TRIZfest-2014開会直前
MATRIZ会長セルゲイ・イコヴェンコ博士がTRIZfest-2014の開会を宣言
GEのマーサ・ガードナー氏による基調講演
二人目の基調講演者、リベレツ技術大学のイヴァン・マシン氏
セルゲイ・イコヴェンコ会長がもう一人の基調講演者ヴァル・ツーリコフ氏を紹介
これが私たちの将来?
仕事ばかりではありません
ヴルタヴァ川でのディナークルーズ
サイモン・リトヴィン氏によるTRIZマスター認定委員会会合の開会挨拶
大会最終日、TRIZfest-2014参加者のうち、集まれる人は全員集合